身内にはしたことがある昔話
2012年6月26日 MTGまだエクステンデッドというフォーマットが息をしていた時代。
当時登場したデミゴッド・ストンピィの初速と破壊力に大きな魅力を感じた俺は、これを持ち込んでGPTに出場していた。
そしてそれは、何回戦目だったかは忘れたが、それほど早くは無い時間だった。
なぜなら、その時には既に決勝シングルエリミネーションに行く目は無くなっていたと記憶しているからだ。
挨拶をして着席し、いつものようにサイドボードを提示しシャッフル、マリガンチェック。
残念ながら1回目のハンドはマリガンしたものの、6枚となった手札は山、モックス、歌、猿、災難の大神という完璧なものだった!
もう1枚あった赤のカードをモックスに刻印し、1T目に災難の大神を召喚する。
「・・・ちょっといいですか」
そう対戦相手は言って、まず大神のテキストを確認。そして、なぜか俺の墓地をチェックし始めた。そりゃもう入念に。
今にして思えば要するに、コレは積込みを懸念していたのだろう。
当時は悪名高きDDソプター全盛期。それの対抗馬として有力視されていたデミゴッドストンピィもまた、環境にはたくさん居たのだが。
とにもかくにも対戦相手は各テキストをチェックし終え、自分のターンで赤緑土地からナカティルを召喚した。
ZOOである。流刑で一撃退場な上に3マナで忘却の輪という可能性もある。
早めに次の生物を引き込みたいところだが、手札は既に空。俺に出来ることはアタックすることだけだ。
「攻撃宣言」
「ブロックします」
「はい」
トランプルで抜けたダメージは4。対戦相手のライフをメモし、大人しくターンを返す。
流石に後続が無いという事は無く、次に出てきたのはクァーサルの群れ魔道士。
これで3マナ到達は確定的となる。
「忘却の輪に間に合っちゃったか・・・アンタップ、ドロー。攻撃宣言」
「ブロックします」
再びライフをメモ。そして対戦相手にターンを返すと、予想通り忘却の輪がプレイされた。
これで残りは復讐の亜神頼み、一気に勝利の目が薄くなる。
「復讐の亜神引けるか・・・。とりあえず残ライフいくつですか」
他意はなかった。ただ亜神で後何発殴ればいいのか、その確認に過ぎなかった。
「17です」
「・・・はい?」
「赤緑フェッチからショックランドアンタップインで17です」
こ、こいつ災難の大神のテキスト読んでたじゃねーか。
沸騰しかける俺だが、しかしこの時点まではまだ紳士的対応を試みようとしていた。
次の一言を聞くまでは。
「あー、すいません。災難の大神はトランプル持ってまして」
「あなたプレイヤーにダメージ割り振ってないですよね」
一瞬で頭が冷えた。
即座に思考はフルスロットルで回転を始める。
相手のカード資産は十分、旧時代から新しいものコモンからレアまで存分にそろっており、構築もそれほど疑わしいものは無く、テキストの確認具合から盤面に存在するカード全てのテキストの知識はあるように見受けられ、やや痛み始めたスリーブ、ゲーム開始時の所作、挙動、土地の置き方などから特に大きな大会のブランクなどは感じられず。
つまりこの対戦相手は、それなりの頻度でMTGをプレイしているプレイヤーだと判断できる。
故意犯の可能性:極大
即座にジャッジを呼び、状況を説明。
ジャッジから「特に割り振りの指定がなかった場合、ダメージは全てプレイヤーに抜けている」と言質を取り、試合を再開する。
お互いにリソースは尽きた状態だったが、程なくして追加された生物たちに俺はあっけなく殴り倒された。頼みの綱の亜神は顔を見せなかった。
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ルールとは、ただゲームのみによって決着をつけるためのもののはずだ。
悪用されるようならそれは、まずルールが悪い。
そして、それを悪用するプレイヤーもまた悪い。
最近不愉快なのがとにかくルールが「プレイヤーの善意に甘えてる」って事。
まぁ確かに対戦相手のミスをスルーしたら自分も罰則貰った、ってのは一見理不尽だったかもしれない。
しかし、罰則があったことによってプレイヤーはゲームを正常な状態に保つよう努力することになっていた。
今回ちょっぴりルールはプレイヤーに優しくなり、その結果、今までルールに邪魔されてそういう事をしてこなかった奴等がその優しさに付け入り始めた。
奇跡実装の時も思ったけど、プレイヤーに期待しすぎ。
特にこういうアナログゲームは良くも悪くも曖昧な部分が多いのだから。
当時登場したデミゴッド・ストンピィの初速と破壊力に大きな魅力を感じた俺は、これを持ち込んでGPTに出場していた。
そしてそれは、何回戦目だったかは忘れたが、それほど早くは無い時間だった。
なぜなら、その時には既に決勝シングルエリミネーションに行く目は無くなっていたと記憶しているからだ。
挨拶をして着席し、いつものようにサイドボードを提示しシャッフル、マリガンチェック。
残念ながら1回目のハンドはマリガンしたものの、6枚となった手札は山、モックス、歌、猿、災難の大神という完璧なものだった!
もう1枚あった赤のカードをモックスに刻印し、1T目に災難の大神を召喚する。
「・・・ちょっといいですか」
そう対戦相手は言って、まず大神のテキストを確認。そして、なぜか俺の墓地をチェックし始めた。そりゃもう入念に。
今にして思えば要するに、コレは積込みを懸念していたのだろう。
当時は悪名高きDDソプター全盛期。それの対抗馬として有力視されていたデミゴッドストンピィもまた、環境にはたくさん居たのだが。
とにもかくにも対戦相手は各テキストをチェックし終え、自分のターンで赤緑土地からナカティルを召喚した。
ZOOである。流刑で一撃退場な上に3マナで忘却の輪という可能性もある。
早めに次の生物を引き込みたいところだが、手札は既に空。俺に出来ることはアタックすることだけだ。
「攻撃宣言」
「ブロックします」
「はい」
トランプルで抜けたダメージは4。対戦相手のライフをメモし、大人しくターンを返す。
流石に後続が無いという事は無く、次に出てきたのはクァーサルの群れ魔道士。
これで3マナ到達は確定的となる。
「忘却の輪に間に合っちゃったか・・・アンタップ、ドロー。攻撃宣言」
「ブロックします」
再びライフをメモ。そして対戦相手にターンを返すと、予想通り忘却の輪がプレイされた。
これで残りは復讐の亜神頼み、一気に勝利の目が薄くなる。
「復讐の亜神引けるか・・・。とりあえず残ライフいくつですか」
他意はなかった。ただ亜神で後何発殴ればいいのか、その確認に過ぎなかった。
「17です」
「・・・はい?」
「赤緑フェッチからショックランドアンタップインで17です」
こ、こいつ災難の大神のテキスト読んでたじゃねーか。
沸騰しかける俺だが、しかしこの時点まではまだ紳士的対応を試みようとしていた。
次の一言を聞くまでは。
「あー、すいません。災難の大神はトランプル持ってまして」
「あなたプレイヤーにダメージ割り振ってないですよね」
一瞬で頭が冷えた。
即座に思考はフルスロットルで回転を始める。
相手のカード資産は十分、旧時代から新しいものコモンからレアまで存分にそろっており、構築もそれほど疑わしいものは無く、テキストの確認具合から盤面に存在するカード全てのテキストの知識はあるように見受けられ、やや痛み始めたスリーブ、ゲーム開始時の所作、挙動、土地の置き方などから特に大きな大会のブランクなどは感じられず。
つまりこの対戦相手は、それなりの頻度でMTGをプレイしているプレイヤーだと判断できる。
故意犯の可能性:極大
即座にジャッジを呼び、状況を説明。
ジャッジから「特に割り振りの指定がなかった場合、ダメージは全てプレイヤーに抜けている」と言質を取り、試合を再開する。
お互いにリソースは尽きた状態だったが、程なくして追加された生物たちに俺はあっけなく殴り倒された。頼みの綱の亜神は顔を見せなかった。
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ルールとは、ただゲームのみによって決着をつけるためのもののはずだ。
悪用されるようならそれは、まずルールが悪い。
そして、それを悪用するプレイヤーもまた悪い。
最近不愉快なのがとにかくルールが「プレイヤーの善意に甘えてる」って事。
まぁ確かに対戦相手のミスをスルーしたら自分も罰則貰った、ってのは一見理不尽だったかもしれない。
しかし、罰則があったことによってプレイヤーはゲームを正常な状態に保つよう努力することになっていた。
今回ちょっぴりルールはプレイヤーに優しくなり、その結果、今までルールに邪魔されてそういう事をしてこなかった奴等がその優しさに付け入り始めた。
奇跡実装の時も思ったけど、プレイヤーに期待しすぎ。
特にこういうアナログゲームは良くも悪くも曖昧な部分が多いのだから。
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