対策されていれば勝てないなんていうのは対戦ごとじゃ当然の話で、MTGじゃカードはカード以上のことを起こせないから余計に対策が重要になる。
こんな事は何もサイドボードに限った話ではなく、例えばアグロ対コントロールとか、ランプ対コンボとかいったようなメインボードの有利不利にも如実に現れる。広範に流行しているデッキがあれば、それに有利なデッキを持ち込むことで勝率は良くなるだろう。この「流行を見切ってベストなデッキを持ち込む」ことをメタ(=「高次の」という意味)ゲームと呼ぶ。ゲームを始める前のゲームというわけだ。

例えば逆説的な結果ストームというデッキがある。
http://www.hareruyamtg.com/jp/k/kD21547S/

逆説的な結果は近年刷られたカードの中でも段違いのオーバーパワーカードであり、MTG史上に残るカード精神の願望とほぼ同レベルの強さを誇るカードである。
では当然逆説的な結果ストームもヴィンテージでブイブイ言わせて・・・いたりはせず、占有率は2017年1月末では4%というありさまだ。
http://mtgtop8.com/format?f=VI&meta=82

レシピを見ればわかる通り、逆説ストームは土地をギリギリまで削ってマナ・アーティファクトを詰め込んである。これを連打して一気にマナとストームを稼ぐのが基本の動きだ。
さて、ここでアメジストのとげやサリア、無のロッドあたりをプレイするとどうなるか?答えは簡単で、ストーム側は対処方法が無いので即死である。
先ほどの資料を参考にするならば、ヴィンテージの環境の3割5分はそれらのデッキをメインボードに据えたMUD(STAX)や白単エルドラージである。
つまり、3割5分ほどの確率で絶対に勝てないマッチアップを組まれてしまう。残りの6割5分に確実な勝利を担保されたわけでもないのに確実に黒星を見込まなければいけない、これでは流行する道理がないだろう。

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翻って、先日の自分のデッキを見てみる。

アレの今日の戦績は1-2で、まぁ負け試合はエナジーフラックスをバカバカおかれたのがポイントなのだが、それはつまりエナジーフラックスを積まれるほど意識されているデッキなのだという事に他ならない。
そもそもヴィンテージ環境において茶単は何よりも真っ先に対策すべきデッキなので当然といえば当然の話なのだが、その横にコンセプトを同じくしつつもより対策がしにくく洗練された白単エルドラージというデッキがあるのを見ると、どうにも選択し難いと感じてしまうのだ。
当のエルドラージ自体とのマッチアップがそこまで悪くないというのは売りにはなるものの、白という対応幅の広いカラーを使っているあちらと比較すると(特にサイドボードからの)窮屈さは否めず、んなら素直にあっち使った方が良いのではないかというのがここ1週間の感想である。
ついでに言うなら普通にマナ出る土地をかなり減らしたのでエナジーフラックスが以前のものより余計に辛いという自縄自縛に陥ってたところもポイント。1勝はMUD相手だったのでまぁ確かに同じようなデッキのぶつかり合いには強くなったかなと思うが、メタに歯向かう形で構築した結果自爆したとしか言いようのない結果であり、やはり勝率を追い求める構築をする上でメタゲームとのぶつかり合いは避けて通れないというのが今回の教訓である。

とはいえ茶ロードでタフネス増強というのはかなり効果的だったので、鋼の監視者を残しつつの構築は良さそうだ。
次はこんな感じのレシピになるだろう。

5 Moxen
1 Black Lotus
1 Sol Ring
1 Mana Crypt

4 Ancient Tomb
4 Mishra’s Factory
4 Mishra’s Workshop
1 Strip Mine
1 Tolarian Academy
4 Wasteland

26 Mana
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4 Arcbound Ravager
4 Foundry Inspector
2 Hangarback Walker
1 Lodestone Golem
3 Steel Overseer
4 Walking Ballista
2 Triskelion

20 Creature
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1 Chalice of the Void‎
4 Sphere of Resistance
4 Tangle Wire
4 Thorn of Amethyst
1 Trinisphere‎

14 Others


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とはいうものの、メインに石のような静寂を取っているメンターが海外で流行しているとなるとやはり選択していいデッキではないとは思う。
そこにつけても白単エルドラージはメンターとの当たりもおおむね5分から有利寄りであり、メタゲーム上の立ち位置を見ても、大きな大会に持ち込むのであれば最適なデッキだと自分は判断する。バリスタの流行によって多少タフネスに気を付けながらカードをチョイスしなければならなくなるだろうが、茶オンリーのMUDよりはるかにプールも広いだけあって新たな形が見つかるのではないだろうか。その時こそ改めて白単エルドラージに戻ろう。

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